2022年05月16日

スタイルファイル作りの備忘録まとめ

スタイルファイル作り、やっとまとめられます。

たとえばこの波平のテーマ。
自力で弾けないパートをただXGサポートで流すだけでも成立するけど、それだとただメロディを弾くだけになってしまうので、エレクトーンの自動伴奏機能をフルで使って再現したい。

YAMAHAが取説など出してくれているわけではないので
こちらのサイトを教科書にさせていただいています。



この曲はまず
・メロディ(リコーダーなど)
・エレキギターのカッティング
・バッキングにエレピがうっすら
・特徴的なベースライン
・ドラム

でできている。

これを弾くには…
ドラム →似たパターンがエレクトーンにないので(あればアセンブリで呼び出せばOKなので)、自分でプログラムする。
メロディ →右手で弾く。
左手→ギター 頑張ればそのまま弾けないこともないけど、プログラムする。
エレピ →曲の印象に一番影響しないし、再現しにくいのであきらめる。
ベース →とても足鍵盤で弾けるパターンではないので、これもプログラムする。


プログラムはStandard midiファイルで。
決まったマーカーがついていて拡張子が.styで、
フォーマット0のStandard midiファイル
スタイルファイルとして認識される。
スタイルファイルというのはヤマハ独自の自動伴奏の企画。
エレクトーンだけじゃなくてクラビノーバとかにも共通。




ということで、まずはMIDIデータの用意。
波平2.png
SEQ2.png
こんなパターンなどを打ち込む。
エクスクルーシブやコントロールチェンジは必要ない。あとでエレクトーン側で設定、調整するため。
★小節の間は開けなくてOK
★デュレーション注意 次の小節にちょっとでもデータがかぶる長さにすると、次の小節頭でも発音してしまう


MIDIデータ作成上の注意

【MIDIチャンネルの指定】

9ch アドドラム
10ch メインドラム
11ch ベース
12ch コード1
13ch コード2
14ch パッド
15ch フレーズ1
16ch フレーズ2
に対応。

【マーカーをつけること】
マーカーは1小節目に
SFF1
SInt

の二つ。

その後、順不同で

Main A
Main B
Main C
Main D
Fill In AA (DDK-7上ではFill In Aになる)
Fill In BB (DDK-7上ではFill In Bになる)
Fill In CC (DDK-7上ではFill In Cになる)
Fill In DD (DDK-7上ではFill In Dになる)
Intro A (DDK-7上ではIntro1になる)
Intro B (DDK-7上ではIntro2になる)
Intro C (DDK-7上ではIntro3になる)
Ending A (DDK-7上ではEnding1になる)
Ending B (DDK-7上ではEnding2になる)
Ending C (DDK-7上ではEnding3になる)

とマーカーで指定。
MK2.png

★マーカーの文字は、大文字と小文字を間違えたりスペースがなかったりすると認識しないので注意。
★SIntは エスとアイが大文字 エヌとティーが小文字やで

ひとつのスタイルファイルで
ユーザーひとつのリズムをまるごと読み込める。
(まるごと→MAIN ABCD、FILL IN ABCD、Intro123,Ending123)
27dec655.png
この固まりが、ユーザー48まである。
ひとつのスタイルファイルで、ユーザーひとつぶんを読み込むことができる。
(ユーザーを3つ使いたければ、スタイルファイルが3つ必要)
ひとつのユーザーバンクの中の拍子は同じ。
違う拍子を使いたければ別のバンクを用意する


リズムは、D-DECK本体では32小節までしか設定できないが
スタイルファイルで読み込むと、もっと長い小節でも読み込める
ただしFILL INだけは1小節に決まっている。


【スタイルはハ長調1度で】
スタイルは、ハ長調(C Majorのキー)の1度で打ち込む
たとえば
D.png
こんなパターンを鳴らしたければ
C.png
こう打ち込んでおく。

LOWER KEYBOARDで弾いた和音を
メジャーコード、マイナーコード、セブンスコードなど自動で認識して鳴らしてくれる。
パターンの中のroot5thは基本そのままで3rd7thが変更される。

C13.png
ちなみに今回の曲のパターンはベースラインに7thの音が入っていて バッキングギターはc7(9 13)
つまりコードとしてはC7系なのだけど
実際、左手をC7で弾いてしまうと
C7.png
このベースラインの7thや左手の自動演奏が崩れてしまうので
あくまで左手はCを弾く。
C2.png
たとえばこう。もちろんドミソでもミソドでも、転回していてもOK

和音の認識方法に少し癖があるので
それを考慮しながらパターンを作ってゆく

【保存】
作成したStandard MIDIファイル(.midなど)の拡張子を .sty に変更。
Standard MIDIファイルはフォーマット0で書き出す。
フォーマット1だとエラーで読み込まない。
デジパフォの場合の挙動だけど、もし何も接続してなくても、アウトプットポートをなにか設定しておかないとだめ(ポートなしではだめ)データが空っぽになってしまう。


できあがったスタイルファイルはUSBメモリ経由でD-DECKへ。
これをエレクトーン側のプログラム>新規リズム>ファイル で読み込む。
音色を選んだりバランスを整えて、スタイルのできあがり。保存も忘れずに。
これをフィンガードコードモードかカスタムA.B.C.モードで使用する。

これでも足りない、どうしても鳴らしたいパートは
XGサポートで鳴らす。

おつかれさまでした。
posted by furani at 21:45| エレクトーン